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春夏秋冬
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米澤榮三の連載コラム「春夏秋冬」

「春夏秋冬」は横浜市建築事務所協会の広報誌「HAMAKEN」に1997年4月から10年の間雑文を綴ったものです。協会会長職にあり、建築家の感性を会員や市民の皆様にご理解いただきたい一心で執筆致しました。最終の一年分を掲載しています。




春夏秋冬.114「日暮し」
季節の移ろいは、晩夏を迎えた。
今夏の思い出を乗せた日焼け。遊び疲れた、軽い疲労感。ボサノバのリズム。「男と女」が心に響く。

 夕日に飛ぶ蜻蛉。茜色が秋を運ぶ。陽が落ちて日暮しの声。
哀愁を帯び、去る夏を惜しむ。

今年はモーツァルト生誕250周年。世界各地で記念コンサートが開催。
横浜でもオペラを1年前から計画。芸術監督、村中大祐を決定。
横浜OMPと命名。歌劇上演者、オーケストラもこの日の為に新結成。

真夏の夜。MMホールへ向う。喧騒のロビー。TV番組N響アワーのスタッフと久方振り。
鑑賞と応援兼用でと。劇場内は楽器の調律が響く。恵まれた指定席。バイオリンの音が開演を告げる。

歌劇「コジ・ファン・トウッテ」は、若い2人の士官が、婚約者姉妹の貞節を信じ、年配の友人と賭け。恋愛、愛の立証、変装コメディと一通りのテーマが折込まれた3時間の作品。原語上演と聞き、物語を脳裏に収めての鑑賞。

第1幕16場が終了。休憩時間。ロビーで葡萄酒を御馳走になる。
素晴らしい舞台であった。オーディションで選択された上演者達。歌唱や演技全てが今迄の舞台を超えていた。骨太の体力勝負を感じた。過不足がなく、モーツァルトの時代を表現。その情熱は鑑賞者の心を捕え、酔わせていた。

指揮者村中は、都市にはその街の音がある。港横浜の音を創造すると。
創造できた、賞賛したい。全場が終了。屋外。潮の香が快い。

世界の音楽家を支援する画家。工房兼画廊の増改築を依頼された。円型吹抜けの大空間。
円弧に添いスロープが2階へ続く。2台のピアノ。1台はスタンウェイの貴重なピアノ。完成後、米国から来賓。
 秋は音楽家達への空間挑戦が待つ。生誕記念の歳。特別の予感。


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