人間、文化、環境に根差すデザイン一級建築士事務所 株式会社米澤設計

株式会社 米澤設計
春夏秋冬
ホームへ

米澤榮三の連載コラム「春夏秋冬」

「春夏秋冬」は横浜市建築事務所協会の広報誌「HAMAKEN」に1997年4月から10年の間雑文を綴ったものです。協会会長職にあり、建築家の感性を会員や市民の皆様にご理解いただきたい一心で執筆致しました。最終の一年分を掲載しています。




春夏秋冬.113「鬼灯」
待望の梅雨明け。本格的な真夏の到来。芙蓉や木槿の花。
渡る風に微かに揺れ、涼をくれる。

夏の催しが各地で続く。夜空の花火。朝顔市、風鈴市、鬼灯市。
子供の頃、母に教えられながら手古摺った鬼灯。夏休みの事。

土曜日、正午前。仕事に集中していると携帯が鳴る。横浜球場から友人達。
高校野球決勝戦。横浜高校応援の連中。席を確保してあるから早く来いと。
薄曇りの中、徒歩5分。いそいそと出掛ける。

横浜高校は金沢区能見台にある。駅前で不動産会社社長のN。
奉仕クラブ仲間。昨年夏、地元商店街で皆と暑気払い。来年、横浜決勝戦の折は応援を誓う。
気勢が上り、今日となった。Nとは秋にゴルフも約束。Nは暫くして早朝の練習で倒れ、今月新盆を迎える。


球場に着くと弁当、麦酒、団扇を貰う。皆、麦酒が入り御機嫌。隣席は小太りの親父さん。
麦酒とスルメを交互に口へ。イヤな予感。


試合開始。横浜は先攻。1回に2点を先取。熱狂する3塁側スタンド。
応援団の伴奏が続く。実は隣の親父さんは応援の達人だった。

メガフォン両手に立ち上り、校歌、応援歌、各種メロディやリズムを全てこなす。
気合の大声援は言霊入り。周辺のリーダー的存在に。米澤の指定席が理解できた。


4回表3点が入り10対0。小雨が降り出す。満員の観客は微動だもせず、達人の応援は一層高まる。後半東海大の反撃。しかし、余裕の笑みを浮かべる達人。8回横浜の追加点。隣席は踊り出す。

試合終了。3塁ベンチから選手が飛び出す。思わず達人とガッチリ握手。達人の目には涙。肩に手。
88回の甲子園。春夏連覇の期待が掛る。選手達、陰で支えた生徒達。

イイ青春を創り、人生を歩んでほしいと願う。辺さん、感動有難とう。


株式会社 米澤設計
〒231-0033 神奈川県横浜市中区長者町3-8-13TK関内プラザ6階
TEL 045-681-7811 / FAX 045-681-7887
Copyright (c) 2008  Eizo Yonezawa Architect&Associates. All Rights Reserved.
株式会社  米澤設計